2025/04/18 13:22

近年の高級時計市場は、特にロレックスの時計の入手に関して、大きな変動を経験しています。2024年後半、いくつかの要因により、ロレックスの人気モデルの入荷待ち期間が大幅に短縮されています。

COVID-19(コロナ)パンデミックの影響

2020年に発生したCOVID-19パンデミックの影響により、ロレックスは一時的に生産を停止し、市場に投入される新作時計の供給が不足しました。この生産停止に加え、投資資産としての高級時計への関心の高まりも相まって、需要が急増し、入荷待ち期間が大幅に延長されました。

For Exhibition Only(展示のみ)ポリシーの変更

高まる需要に対応し、お客様に製品を実際にご覧いただけるよう、ロレックスは「展示のみ」ポリシーを導入しました。このポリシーでは、正規販売店が特定のモデルを展示し、すぐにご購入することはできませんが、試着のみすることができます。しかし、新工場の立ち上げもあり、生産と供給が安定したため、ロレックスはこのポリシーを緩和し、「展示のみ」の指定は任意となりました。多くのディーラーはその後、これらの表示を撤去し、展示モデルを顧客に直接販売するようになっています。

待ち時間の短縮

モルガン・スタンレーの最近の調査によると、2024年末までに、ロレックス・サブマリーナーやGMTマスターIIといった人気モデルの待ち時間は、それぞれ約60日と90日に短縮されてたとのことです。この改善は、需要と供給のバランスがより均衡していることを反映しています。(日本国内ではウェイティングリストがありませんので、残念ながらもう少し時間がかかりますが、購入できる確率は大幅に増えている様です。)

中古市場の落ち着き

パンデミック中に価格が高騰した中古高級時計市場は、2022年のピーク以降、ゆるやかな下落傾向にあります。サプライチェーンの安定化や投機的な投資の減少といった要因がこの傾向に寄与しています。リセールプレミアムが低下し、リセールサイトの在庫が増えるにつれて、時計の販売に時間がかかるようになります。この市場の変化は、希少な時計を求める愛好家には有利ですが、あまり人気のないブランドにはプレッシャーをかけています。中古価格の継続的な下落は、高級時計ブランドにとって価格維持の課題となるでしょう。

絶好の機会

生産再開、政策調整、そして中古市場の落ち着きにより、新品ロレックスの入手が例年よりも容易になりました。愛好家やコレクターにとって、この変化は、希望のモデルを短期間で探し、購入できる絶好の機会となります。